高血圧症の薬物治療

高血圧症の薬物治療では、Ca拮抗薬やACE阻害薬、AⅡ受容体拮抗薬や利尿薬、α遮断薬やβ遮断薬の6種類の降圧薬を第一選択薬として使用し、JSH2000には各薬剤の積極的適応症と禁忌症が定められ、薬物医療を行う際は、臓器障害や心血管病の危険因子、副作用などを考えて、個々の患者さんに適した降圧薬を選択します。

JSH2000では、合併症を持っていない高齢者高血圧症患者に対して、第一選択薬は長時間効果を発揮するCa拮抗薬や利尿薬、AⅡ受容体拮抗薬やACE阻害薬、少量のサイアザイド系利尿薬の中から選びます。

α遮断薬は、高齢者に使用する時、起立性低血圧症の発症頻度が高いため、60歳以上の高血圧症に対して第一選択薬にすべきではありません。

高齢者の場合、極度な生活習慣の変更はQOLを下げる可能性があり、無理のない程度に行うようにし、降圧目標値は年代別に設定されています。

妊婦に降圧薬を投与する場合は、急激な降圧によって胎盤血流低下をきたすので注意し、降圧薬の投与は母胎の安全を考えて拡張期血圧が100mmHg以上を基準としています。

妊娠中の高血症患者にたいして、安全に使用できるのは血管拡張薬(アプレゾリン)でして、胎盤血流増加作用を有するため、妊婦に対して経口でも静脈注射でも、比較的安全に使用され、特に分娩が迫っている場合に役立ちます。

アダラートLやゼストリル、ニューロタンは、胎児死亡例が多く、妊婦に投与することはタブーとされています。

α遮断薬の服用を忘れた時

α遮断薬の服用を忘れた時は、服用の発現と安全性を考え、飲み忘れに気付いても服用してはいけないのですが、α遮断薬以外の降圧薬の服用を忘れた場合は、思い出した時に服用します。

利尿薬は、体内のナトリウム量を減らし、血管内を回る血液の量を減らすことで血圧を下げられる薬です。

β遮断薬は、心臓の動きを活発にするホルモンが、心臓の特定部位に結びつくのを遮断して、心臓の収縮をゆっくりさせて、血圧を下げる薬です。

α遮断薬は、血管平滑筋にある血管を収縮させるホルモンが、特定部位に結びつくのを防ぎ、血管を拡げて血圧を低下させる薬です。

ACE阻害薬は、血管を収縮させる物質を生成する酵素の働きを抑制し、アンジオテンシンⅡの産生を抑え、末梢の血管を拡げて血圧を下げる薬です。

AⅡ受容体拮抗薬は、血管を収縮させる物質が、血管の特定部位に結びつくのを防ぎ、血管収縮作用を抑制することで、末梢の血管を拡げ血圧を下げる薬です。

Ca拮抗薬は、血管や心筋を収縮させるカルシウムの血管の細胞内への流入を防ぎ、末梢の血管を拡げて血圧を下げる薬です。

血管拡張薬は、末梢の血管平滑筋に直接作用して血管を拡げ、血圧を低下させる薬です。